だから、勉強しよう!
穂積校|2011年4月25日
先日、HOMES講師のがんばる姿を見ながら、学生の時のことを思い出しました。
もう10年以上も前の話になります。今回は、その時のことを書き綴っていこうと思います。
大学3年生の教育実習で養護学校(特別支援学校)でお世話になった時のことだ。担当になっ
た生徒は中2の男子。「翔くん」と呼んでいた。笑顔のかわいい素敵な子だった。その笑顔は、
今でも鮮明に覚えている。それは、翔くんがちょっとしたことにも、一生懸命だったからだと思
う。教育実習に行くまでの私の生き方や考え方は、かなり適当だった。学校の先生か塾の先生
になりたいと軽く考えていた自分。こんな自分が本当に教育に携わっていいのかと悩んでいた
時もあった。大学の恩師でもある青木美智男教授からは「お前が教師に向いているかどうかは
わからん。教育に向いているとは思うが、もしかしたら、学校というものに、今のお前はあわな
いかもな。」と言われていた。なぜ、自分が「学校に合わない」と言われたのかは、今ではわか
る。大学生の自分は、不勉強であり、自信家であり、反抗的だった。要するに世間知らずの学
生が生意気なことを先生に話していたのだと思う。社会の厳しさが全くわかっていなかった。そ
んな情けない自分を変えてくれたのは、この教育実習での出会いや経験だった。翔くんと関わ
るなかで得た体験や指導してくださった先生方との出会いが、今の自分の子どもたちへの情熱
の原動力となったと思っている。
自分の教育実習をさせていただけた養護学校は、2人の生徒に1人の担任が指導する形式だ
った。一人ひとりの成長段階にあわせて学校生活を送るためには、2:1の指導形態が一番良
いと思った。(HOMESと同じですね。)そして、初日に翔くんの担任の先生から伝えられたこと
は忘れられない。
「知っておいてほしい。翔の担当医師からは、『次の発作が起きたら命は危ない。成人まで生き
れるかどうかはわからない。』と言われている。」と厳しい表情で話された。
さらに続いた、「翔とは全力で関わってほしい。僕は、翔が悪いことをした時や躾をするときは、
泣く叫ぶまで真剣に叱るよ。かわいそうだと絶対に思わないでほしい。でも、何か一つでもでき
るようになったら、本気で誉めて一緒に喜ぶようにしている。僕と同じように翔と接してほしい。
翔と今の時間を一生懸命関わってほしい。よろしくね。」
衝撃的でだった。でも、その通りだと感じた。自分の中で、教育現場というものに魅力を感じた
のがわかった。胸が熱くなったのを覚えている。
『自分の小学校からの夢のために先生になるんじゃない。先生と呼ばれたいために先生になる
のか?違う!子どもと真剣に関わり、そして経験を伝えることが教育なんじゃないのか。』
私は教育実習の日誌にこのように書いたのを覚えている。もっと熱く長い文章だったはずだが
このフレーズは書いた自分でも覚えている。それだけ自分にっては、大きな変化だったのだろ
う。教育実習の初日に思ったことがある。もっと勉強しておけばよかった・・・。
次回へ続きます・・・。
『もっと勉強しておけばよかったなぁ。』今でもよく思います。HOMESの生徒のみんな、そしてHOMES講師諸君、それぞれが勉強する内容は違うけど、一生勉強だよね。私も勉強します。
だから、勉強しよう!
穂積校 江口 徹