見えている色
大垣本部校|2014年11月18日
青くない信号をなぜ青信号というのか、誰もが一度は疑問に思ったことがあるように思います。
そもそも、私の目に見えているこの色と別の人の目に見えているこの色は、少し違っているんじゃないかと時々考えてみることもあります。
大学の講義で色盲の話になったとき、信号機の色が例として取り上げられました。
色覚異常とは、色に対する感覚が正常とは異なるものです。
その程度によって、色の識別が全くできない「色盲」から、まぎらわしい色の識別だけができない「色弱」まであります。
通常、すべての色は赤、緑、青の3種類によってつくられています。
色覚異常(色盲)はこれらの識別に問題があり、全ての色を見ることが困難な状態です。
つまり、見えない色があるということですね。
昭和46年以降に作られた信号機は、色覚障害者が緑色を識別しにくいことを考慮し、緑色をなるべく青色に見えるような色度を採用しています。
近年は青色ダイオードの信号機採用などもあり、より青に近い色で光るように変更されました。
よって、現在の青信号の色は、より正確に言うと「青緑色」なのだそうです。
人間の目には緑色を感じる細胞が多く、緑に近い色をより強く認識できます。
だから、そんな人間の目がちゃんと青く識別できる青色発光ダイオードを生み出した3人の科学者が、ノーベル化学賞を受賞されたわけです。
ちなみに、青信号は英語では green light といいます。
国際的に、交通信号の色は「緑・黄色・赤」で統一されています。
しかし、日本では緑色のものを「青い」と表現する習慣がありますよね。
緑色の飲み物を「青汁」と呼び、緑色の虫を「青虫」と呼び、緑色のりんごを「青りんご」と呼びます。
これと同様に、緑色の信号も「青信号」と呼んできたのでしょう。
調べてみると、警視庁のホームページに、下記の質問に対してこんな答えが載っていました。
Q.青信号というのになぜ緑色の信号があるのですか。
A.昭和5年、日本ではじめて現在のような信号機が設置された時は、法令上 「緑色信号」と呼び、緑色の信号でしたが、一般の人々の間では、「青色信号」や「青信号」という呼び名が次第に定着していきました。
そこで、昭和22年には、法令上も「青信号」と呼ぶようになり、信号の色も緑色から青色に改めていきました。昭和48年以降に作られた信号機は呼び名どおり「青」色に作られていますが、古い信号機は緑色に見えるものもあります。
……だそうです。
信号機1つの話に、理科、社会(歴史)、英語、保健(?)の要素が絡んできましたね。
勉強しているからこそ、知識があるからこそ理解できる話だと思います。
確かに知らなくても困らないかもしれません。
ですが、こうして知らなかったことを知ってみて、少しはおもしろいと思ってくれているとうれしいです。
大垣本部校 岡安