スペースシャトルなど、あれこれつらつらと・・・
大垣本部校|2016年7月21日
このブログを書くために、7月21日が何の日だったかを調べてみたら、2011年7月21日は、「スペースシャトルが最後のミッションを完了した日」でした。
スペースシャトルというと、私のような世代は、当時、夢のような宇宙船だと思っていました。
初飛行が1977年、当時はまだ米ソ冷戦の最中で、宇宙開発競争も軍事開発競争と連係していて、お互い良くも悪くも競争していました。
日本人としては、アメリカの技術の方が上だろうという漠然とした思い込みがあって、スペースシャトルの未来に限りない可能性を見出したものです。
ところが、その後、二度の爆発事故があったり、当初の予定を大きく上回る費用、米ソ冷戦構造の崩壊による宇宙開発の目的の変化などにより、シャトルが「巨大な金食い虫」になってしまいました。
今はというと、国際宇宙ステーションへの行き来はロシアの「使い捨て」のロケットです。
使い捨てのロケットのほうが再利用できるシャトルよりも低コストで安全というのはなんとも皮肉な話ですが、科学技術と安全性を両立させるという問題は、結局のところ、そういうものなのでしょうね。
19世紀や20世紀半ばまでは、科学技術は人間にとってバラ色の未来を約束してくれるものでした。
それが、20世紀後半から21世紀にかけては、環境問題の噴出や人智を越えた科学の暴走などにより、科学技術の負の側面が強調され始めます。
そういったことはちょっと考えればわかることなのに、人間はその問題を先送りしてきました。
そのツケが今回ってきているとも言えます。
そのツケを回収しつつ、新しい科学技術を受け入れ、活用していかなければならない。
なんだか、「科学が先か、人間が先か」みたいな論争になってしまいそうですが、人間が科学を制御してきたこれまでの時代から、科学が人間を制御しかねない時代に入っていくような気がします。
中学生や高校生のみなさんは、こうした時代に自分のやりたい仕事を見つけ、人生のビジョンを描いていかなければなりません。
大変な時代でもあるのですが、科学技術との付き合い方(これが日本の教育には大きく欠けているのですが)にも少し目を向けて欲しいなと思い、ちょっと硬い話ですが書いてみました。
大垣本部校 米山