「先生、社会が苦手なんですけど、どうすれば出来るようになりますか?」
…最近、子どもたちから良く聞く言葉です。
「どうして、社会が苦手だって思う?」—「テストで点数取れないから。」
「学校のワークは1周り終わってる?」—「やる気出ない。覚えること多いし。」
私は集団指導で社会を教える事もありますから、これらの返事を聞いて、
「もったいないなぁ。」
と、思ってしまうんです。
社会の勉強を「覚えて点取る科目」として捉えていては、それは当然、苦痛になるでしょう。
でも、苦手だと”決めつけた”のは、誰でしょう?
”覚えることが多い”と感じたのは、誰でしょう?
…そう、あなた自身です。
「社会」という科目は、自分の人生を豊かにするヒントがたくさん詰まっているのに…本当に、もったいない!!
私は、社会の勉強の醍醐味が「自分の生き方のヒントを見つけることが出来る」という点にあると思っています。
「なぜ、周辺の国同士が仲良くできないのか?」
「なぜ、この地域は貧しいと言われるのか?」
「なぜ、人は争いを止めないのか?」
…この疑問の裏には、とても人間らしい理由が隠れていたりします。
もし食料が無ければ、皆さんはどうしますか?
①:自然界から取ってくる。
②:自分で作物を育てる。
③:人から奪う。
④:スーパーやコンビニで買う。
…おそらく、上記4択のどれかになるでしょう。(日ごろから③をする人がもしいたら、ちょっと警察まで行きましょうか‥)
①は、自然が豊かだったころのお話。この歴史が長いのは、実は日本の縄文時代です。
乾燥帯の地域では①に期待できませんから、歴史的にも早いうちから「農業」が始まります。
…そう、エジプト文明やメソポタミア文明などが、これにあたります。それが②です。
③は、ときの権力者が国力を高めるために繰り返してきた「~の戦い」「~の乱」「~戦争」です。
④は、ここ数十年の浅い歴史でしかなく、便利になった、ごく一部の先進国の文化でしかありません。
人は「価値あるものを自分の中に集めよう」とし、認められない価値は、時に怒りの感情を見せます。
それが個人間であれば「喧嘩」ですし、国家規模であれは「戦争」です。
どうすれば、争いを避けることが出来るのか…その1つの答えを「なるべく関わらないようにすること」にしてしまったのが、現代社会の在り方です。
そして、「自分と異なる他者への関心が低くなる」という結果を招いてしまったと、私は考えています。
急速なグローバル化の時代こそ、これまで以上に多くの人と関わりを持って臨まなければならないでしょう。
そんな時代にとって「社会」という科目は、世界中の人のことや仕組みについて、知識を与えてくれる科目です。
ただの暗記科目とせず、お互いを理解し、認め合い、助け合うヒントを与えてくれる科目として捉えてもらえたなら、もっと面白い科目になります。
社会を学ぶ楽しさを、どれだけ子どもたちに伝えていけるか…じっくり考えて、深めていこうと思っています。
鵜沼校 Seino